介護の現場~ハラスメントについて~

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介護サービスの利用者さんや、そのご家族の方などによる、職員へのハラスメントが介護現場での深刻な悩みになっています。

傷ついた職員が離職してしまうこともあり、介護職の人手不足の一因になっています。

今の現状と、対策をお伝えしたいと思います。

介護現場のハラスメントの実態

介護現場で起こるハラスメントは、大きく分けると3つあります。

  1. 身体的暴力…物を投げられる、叩かれるなど
  2. 精神的暴力…怒鳴られる、理不尽な要求をされる、高圧的な態度で接せられるなど
  3. セクシャルハラスメント…不必要に職員の身体に触れる、不快な言動を繰り返すなど

現状では、施設介護の場合はとくに身体的暴力が多く、訪問系のサービスでは精神的暴力が多いようです。どちらも7~8割の職員がハラスメントを経験していると言われています。セクシャルハラスメントについてはサービス形態によって違いはあまりなく、3~4割程度の方が経験されているそうです。これらは非常に高い比率です。

実際にハラスメントを受けたときは、ひとりで抱え込まずに、問題に気付いた時点で職場に相談しましょう。そして、施設としてどのように対応をしてくかを決め、それに沿って職員全員が協力し合い、ハラスメントの被害をなくしていくことが大切です。

場合によっては、なかなか対応が難しく、すぐには改善しないケースも多いようです。そのような時でも決してひとりで抱え込まないでください。ハラスメントは1対1の場面で起こることが多く、周りから実態が見えないことが多いので、誰にも言わずにひとりで我慢してしまうと「ない」ことになってしまいます。ハラスメントが「ある」という実態をスタッフ全員で共有して、対策を行っていくことが重要です。

ハラスメントへの対応

ご自身がが少しでも「身体的暴力」「精神的暴力」「セクシャルハラスメント」のどれかに該当する行為を受けたと感じたら、まずは担当窓口や上司に相談してください。2020年6月から、企業におけるハラスメント相談窓口の設置が義務化されています。(中小企業の場合2022年4月までの間は努力義務)あなたが働く事業所にもあるはずです。「これはハラスメントなのでは?」と思ったら、忘れないうちにメモをとってください。ハラスメントの内容が具体的に記録されていれば、相談を受ける側も客観的に事実を把握することができます。

ほとんどのハラスメントには何らかの要因があります。たとえば、利用者様の怒りのスイッチが入るきっかけに気づければ、予防が出来ます。利用者様のご家族の方からのハラスメントの場合も、ご家族の方が抱えるさまざまな事情が要因の場合があります。上司に相談し、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談してもらいましょう。

「介護職員は何でもしてくれる人」といった間違った認識から、行き過ぎたサービスを要求されるケースです。このような場合は、ご自身だけではなく、上司からもしっかり説明してもらい、「介護職員のサービス内容」を理解してもらうことが必要です。

認知症のBPSD(周辺症状)による暴力や暴言などについては、ハラスメントとは分けて考える必要があります。しかし、職員の安全は守られなくてはなりません。ハラスメントなのかBPSDなのかの判断は、主治医やケアマネジャーの意見を聞きながら慎重に行います。そのうえで適切な対応方法を考え、改善していきましょう。

ご自身で必要なハラスメント予防もあります。それは、個人情報を絶対に教えないことです。「個人情報に関しては教えられないルールになっている」と、きっぱり断るようにしてください。

政府によるハラスメント抑止対策

政府は、ハラスメントに遭いやすいホームヘルパーさんに向けて、「ヘルパー補助者同行事業」を創設。必要に応じて有償のボランティアが同行し、ハラスメント抑止につなげるというものです。同行者はハラスメント対策を含む介護研修を受講し、謝礼金を支払うことを想定しています。そのほか、利用者様を啓発するリーフレットの作成配布や、各種研修、統計調査などを行いハラスメント抑止対策に役立てていく方針です。

ハラスメントの相談を受けた場合

もしご自身が部下から報告や相談を受けたときは、「まだ様子を見よう」などとそのままにすることがないようにしでください。迅速にハラスメントの状況を確認し、上司に報告するなど速く行動を起こすことが大切です。職員全員の安全を守ることを第一に考えてください。

また、絶対にやってはいけないことがあります。それは被害に遭った職員個人にハラスメントの要因を求めることです。「あなたの対応が良くなかったんじゃないか」などと個人を責めることは、傷ついている相手をさらに追い詰めてしまいます。また、「たいしたことじゃないよ」「慣れれば大丈夫」などといった対応もハラスメントが蔓延する原因になってしまいます。

ハラスメントをなくすためには、組織全体で「ハラスメントを許さない」という強い姿勢と意思を共有することが大切です。被害に遭った職員の立場に立って、気持ちによりそい、組織全員で再発防止に取り組みましょう。

ハラスメントを許してはいけない

介護現場ではハラスメントは日常的に起こっており、真面目な方や優しい方ほど我慢してしまったり、自分が悪いのではないかと自信を責めてしまう傾向にあります。しかし、そんなことは断じてありません。

介護職員の方の中には、あるひとりの利用者様の暴言が、何年間も忘れることができないそうです。こんなにも深く、長く人を傷つけるハラスメント行為は、誰であれ決して許されることではないですし、ハラスメント行為を放置してはいけません。

介護現場からすぐにハラスメントをなくすことは正直、難しいでしょう。しかし施設が、企業がハラスメントを許さない立場と意思をを明確にし、職員が相談しやすい環境をつくることで、少しずつ利用者様やそのご家族の方の意識も変えていくことができるのではないでしょうか。

介護業界の人手不足をなくしていくためにも、まずは誰もが安心して、安全に活躍できる環境を整えることが重要です。企業全体、職員全員の強い意思を持って支え合い、介護業界からハラスメント行為をなくしていきましょう。


他にも、介護のお仕事はその施設によって様々な特色があります。

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