従来型とユニット型
特別養護老人ホームは、大きく分類すると、ユニット型と従来型とに分けることができます。
ユニット型は従来の介護手法とは異なり、利用者さんの生活リズムや個性などの個人の尊厳を大切にします。
比較的新しい施設ならユニット型となっていますし、今後もユニット型が増えていくことでしょう。
介護士にとって、従来型とユニット型で違いはあるのでしょうか?
従来型
従来型ではまず居室に特徴があり、4人部屋や6人部屋の多床室数人で相部屋として使用する造りが中心になっています。
もちろん、ベッドの間にはカーテンがあり、プライバシーを保つための仕切りにすることは可能でしたが、おむつ交換や着替えの際などに最低限のプライバシーを保護することはできても、匂いや生活音などにおいてのプライバシーは十分とは言えない一面もあります。
しかし、スタッフ側にとっては、生活リズムも施設が設定したスケジュールに沿ったものなので効率的に介護ができ、スタッフの数が限られているなかではメリットであるといえます。
このほかにも、食堂や浴室、リビングなどの共有部分は大人数で利用します。
ユニット型
対するユニット型は、「ユニット」と呼ばれる10名前後の少人数単位で介護をするスタイル。グループごとに介護士が担当するという特徴があります。
入居者は一人ひとり個室(準個室)を利用できます。
また、キッチン浴室などはユニット単位で利用するシステムとなっており、施設の中には共有するリビングスペースや食堂があったりと、他の入居者と交流できる空間が設けられています。
家庭の延長のような感覚で、施設に入っても環境変化が比較的小さいのが特徴です。
また、感染症の拡大防止効果も期待できます。
従来型の介護施設においては数十人~数百人という単位のなかでスケジュールが組まれていましたが、この単位が10人程度になることで、利用者のサポートがしやすくなっています。
利用者さん本人が自分でできるところについては本人の意志で自由にしてもらい、サポートが必要なところはスタッフがサポートします。
従来型とユニット型での働き方
従来型とユニット型では介護士の働き方が異なります。
従来型
従来型では、大勢の入居者に対して配置されるスタッフも複数です。
従来型は長年運営してきた施設が多く蓄積があり、ノウハウも豊富です。
新人スタッフも、先輩介護士たちの実務を間近で見ながら学べ、判断に迷うことがあればすぐにアドバイスしてもらうこともできます。
スタッフの人数が少なくなる夜勤でも、複数人で対応できる安心感があります。
ユニット型
利用者さん10人程度の1ユニットに対してスタッフは少人数で対応するのが一般的で、そのために、各入居者に寄り添った個別ケアが可能です。
ただし、1ユニットに対してスタッフ1人という配置も珍しくありません。スタッフ1人に判断をまかされる機会が、従来型より多いとも言えます。
特に夜勤の場合は国の配置基準では2ユニットに1名となっているため、1人で対応しなければならない場面が増えるでしょう。
そのため、経験の浅いスタッフでも一人での対応を求められるなど、不安に思うこともあるかもしれません。
しかし、不安があればユニットリーダーに相談することもできますし、現場ではユニット間で連携を図ることもあります。
多くの施設ではお互いに助け合うことでカバーしあっています。
ユニット型が誕生した背景には、従来型の生活支援の介護に加えて、個人のプライバシーや尊厳を重視する目的があります。ユニット型で働くのなら、この点を理解しておきましょう。
最後に
同じ特別養護老人ホームでも、従来型とユニット型では働き方は全く異なります。
従来型は施設で働く職員の効率を重視した「集団ケア」が行われ、ユニットケアは個人の尊厳を重視した「個別ケア」にフォーカスを充てています。
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