看護師の仕事のやりがいとは
あなたの看護師としての仕事のやりがいは何でしょうか。「この仕事に就いてよかった!」と思える経験は、長く仕事を続けたいと考えているなら欠かせない要素のひとつです。
看護師は専門性が非常に高く、患者さんや利用者さんの命や健康に関わる仕事のため、やりがいが得られるとても素敵な仕事です。
看護師は夜勤業務や長時間の立ち仕事も多く、医療行為だけではなく下のお世話もあり、「看護師はキツくて大変な仕事」というイメージを持たれることが多いですが、もちろんつらいばかりの仕事ではありません。看護師がずっと続けたいと思える仕事になるにはどうしたらいいのか解説していきたいと思います。
看護師のやりがい
多くの看護師が「看護師をしていてよかった」と感じる瞬間や体験をご紹介します。
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患者さんと深く関わることができる
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患者さんやそのご家族から「ありがとう」と感謝の言葉
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医療や看護の知識が役立った時
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多くのスタッフと連携しチームプレーで患者を救う
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収入の安定
下記で一つずつ詳しくご紹介していきます。
患者さんと深く関わることができる
患者さんともっとも身近に接する看護師は、患者さんが「元気になりたい」「つらいけれど頑張ろう」と前向きに治療に臨めるように患者さんの精神状態を把握し、寄り添い支えます。看護師は、患者さんやご家族が不安や悩みを打ち明けられる最も身近な存在です。医師など必要な専門職への橋渡しと調整役を担うのも看護師の大切な役割です。
患者さんの変化にいち早く気づくことが出来るのも看護師です。毎日顔を合わせ、会話をしたり身体に触れたりするため、早い段階で患者さんの異変に気づき、医師へ迅速に繋げることができるのです。
また、患者さんの治療やリハビリをサポートすることによって患者さんが話せたり、歩けるようになったり、できることが増え、日に日に回復していく姿を見られることは何よりうれしい瞬間です。患者さんと二人三脚で歩み、苦しさもよろこびも共に分かち合えたとき、非常にやりがいを感じられることでしょう。
患者さんやそのご家族から「ありがとう」と感謝の言葉
看護師の仕事は、患者さんの健康や命に関わるものなので、「誰かの役に立っている」という大きな実感を得る機会が多くあります。
他の職業と違い看護師は人から直接感謝される機会がとても多く、患者さんやそのご家族からの「ありがとう」、あるいは他のスタッフなどから「ありがとう」と心からの感謝の言葉をもらうことが出来ます。
また、日々いろいろな患者さんと出会い交流できることや、患者さんが笑顔になってくれることに大きな喜びを感じられます。
多くのスタッフと連携しチームプレーで患者を救う
医療現場では多くのスタッフと連携して患者さんを救う「チーム医療」が行われています。それぞれの専門性を発揮しながら質の高い医療を提供するため、日々奮闘しています。それは喜びを多くのスタッフと共有できることであり、やりがいの一つと言えるでしょう。様々な職種のスタッフと関わることで、新たな発見や見識が広がり、知識やスキルも日々向上していきます。また、1人では達成できないことも看護師としてみんなの力を合わせれば達成できる。そんな充実感を日々得られるのも、看護師という仕事の大きなやりがいでしょう。
医療や看護の知識が役立った時
医療の現場は日進月歩。日々、新しい医療技術が生まれています。
そうした新しい技術を学んだり、自信がスキルアップすることで、患者さんに対してより良い医療を提供できることは、やりがいの一つでしょう。
業務の合間を縫って勉強し、技術を身に着けるのが大変な側面はありますが、そうした努力が、患者さんへの医療に結果として現れるとモチベーションも上がります。
また、そうした看護師のスキルは自分の子育てや家族の介護などの際に大いに役立てることが出来ます。
家族や友人など、身近な人がケガや病気などに見舞われた時、応急処置や診療科名などについてアドバイスできるのも看護師ならではです。大事に至る前に正しく対処やアドバイスができたときは、看護師でよかったと思えます。
収入の安定
給与や賞与が良いことも看護師のやりがいのひとつです。看護師の90%以上は女性です。下記のように、看護師の方が全国の女性の平均年収と比べ年収が高いことがわかります。
<2020年平均年収>
・全職種(女性) 平均 約388万円
・看護師(女性) 平均 約481万円
(参考:令和元年賃金構造基本統計調査結果)
上記はあくまでも平均ですので、もっと収入の高い場合もあります。就業先によっては様々な手当もついてきますし、資格手当などがある就業先なら、給与アップが目指せます。
不況に強く、安定した収入を得られ、同年代の友人等と給与を比べた時なども、「看護師で良かった」と感じるかもしれません。
また、医療現場は深刻な人材不足が続いており、看護師資格を所持していれば、ブランクを経ても比較的復職しやすいので、腰を据えて長く働き続けることができる仕事だと言えるでしょう。非常勤で働く場合でも、時給が高めなところも魅力です。
人命に直接かかわる仕事のため、責任は重大で大変ではあるものの、収入に関しては安定を実感できるでしょう。
やりがいを感じられなくなってしまうとき
看護師として働く中でやりがいを感じられなくなってしまうこともあると思います。原因として、仕事の悩みを抱えていることが考えられます。仕事に対してモチベーションが下がっているなと感じたら、いずれかの原因に当てはまるものはないかチェックしてみましょう。
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業務の多さや生活リズムの乱れ
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人間関係の悩み
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日々変化する医療への対応
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待遇面
下記で一つずつ詳しくご紹介していきます。
業務の多さや生活リズムの乱れ
医療業界の慢性的な人手不足により、看護師の人数が少なく業務が多すぎる場合や、夜勤を含む不規則なシフトの職場に勤務している場合は、睡眠サイクルが崩れてしまったり、女性だと生理不順になったりと、体力的に厳しくなってしまうこともあります。また、様々なケアを行わないといけない看護師は体力が必要で、重労働です。腰を痛めてしまったり、家庭生活との両立が難しくなり、やりがいを感じるどころではないケースもあるでしょう。
そのため、夜勤業務がないクリニックや訪問看護などへの転職を考える方も少なくありません。
人間関係の悩み
職場の人間関係に問題がある場合、業務に集中できず円滑に進まないなどの支障も生じます。そうなってしまうとやりがいを感じる余裕はなくなります。
先輩看護師や同僚、医師からのパワハラや強い言動や恫喝、嫌みを言われるなどのつらい経験が理由で退職を考えてしまう看護師も多いようです。また、患者さんからのセクハラや患者さんとそのご家族に暴言を吐かれ、悩む看護師も多くいます。
日々変化する医療への対応
医療は日々進化しており、新薬や最新の治療方法・ケアなどを学習していかなくてはなりません。毎日の業務はルーチンワークではなく、常に変化を求められます。そのため忙しい合間を縫って業務時間外の勉強が必要になります。また、症例検討を実施するために、スタッフ達と資料や論文作成などを行わなければいけません。介護施設での勤務においては内服や、処置方法の確認が多く、フロアに看護師が1名しかいないこともありますので、慣れるまで非常に大変だと感じてしまうこともあるでしょう。
待遇面
残業や夜勤が多かったり、希望のお休みが取りにくいなど、業務量と給与・待遇が見合っていないと感じると、やりがいを感じにくいでしょう。頑張って仕事をしていても評価されていないように感じてしまい、モチベーションを維持することが難しくなります。
やりがいを感じられなくなってしまったら?
看護師としてやりがいを感じられないまま、仕事を続けるのはおすすめできません。特に経験の浅い看護師は、思い描いてた看護師の仕事と現実のギャップに悩むことも多いでしょう。そんな方も、以下を実践し、仕事に対するモチベーションを保てるようにしましょう。
◎なぜ看護師を目指したのか思い出してみる
誰しも自分が理想とする看護師像を持ち、志の高かった時期があるはずです。その時の気持ちこそ、もう一度やりがいを見出せるヒントになります。一度自分を見つめ直す時間を取ることで、やりがいを感じていた当時の気持ちを思い出せるかもしれません。
◎信頼できる人に仕事の悩みを相談してみる
信頼のおける人に、仕事の悩みを打ち明けてみましょう。話を聞いてもらったり、アドバイスを貰うことで気分が晴れたり、悩みが解消して仕事に対して前向きな気持ちを取り戻すきっかけになります。
◎自分の価値観を見つめなおし働き方を変えてみる
自分の価値観を見つめ直し、職場を変えることで、今抱えている悩みが解決したり、新たなやりがいを感じたりする可能性があります。
患者さんに寄り添った看護にやりがいを見出せそうであれば、介護施設や訪問看護が合っているかもしれません。
医療の最前線で救命活動をしたり、最新の医療知識を身に着け自己成長することにやりがいを感じるのであれば、救急看護師や病棟看護師で手術室勤務などに進むといいでしょう。
まずは、自分を見つめ直して様々な職場やキャリアについて調べて見るのも大事です。看護師は様々な職場の選択肢があり、あなたの価値観に合った職場が必ず見つかるはず。転職先を決める際は、自分が看護師として何を大切にして働いているか、どういった働き方にやりがいを感じることができるのかを改めて考えてみましょう。
自分に合う職場を見つけて働きましょう!
看護師はやりがいの感じられる仕事です。ですが、必ずしもやりがいを持って働かなくてはいけないということはありません。やりがいはあくまで個人の考え方によるので、無理に見つけようとしなくても良いと思います。
今やりがいを見出せていないからといって自己嫌悪する必要はないですし、やりがいは、個人の主観ですので、無理に見つけようとしても見つかるものではありません。
まずは看護業務を真面目に一生懸命に行い続けることが大事です。そうすることでやりがいを見出せるようになるでしょう。
看護師の仕事がつらい、辞めたいと感じた時は、看護師を辞めてしまうのではなく、職場を変えてみましょう。その際に自分の「やりがい」について考え、自身の価値観にマッチした職場を見つけるために、一歩踏み出してみましょう。