認定看護師・専門看護師
看護師として働き始めた頃は毎日覚えることが多く日々成長を感じられていたと思いますが、実務経験を積んでいくうちに余裕が生まれ、さらにスキルアップしたいと考える方は多いと思います。
スキルアップすることでが技術や知識が高まり、仕事の幅が広がります。給与や待遇、転職を考える際にも有利になります。
今回は「スキルアップしたい」とお考えの方におすすめの認定看護師と専門看護師についてご紹介します。
◆認定看護師
認定看護師とは、看護師として5年以上の実践経験を持ち、日本看護協会が定める600時間以上の認定看護師教育を修めている方が取得できる資格で、5年ごとの更新が必要です。
特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を有する者として、日本看護協会の認定を受けた看護師をいいます。認定看護師の資格を取得することで水準の高い看護が実践でき、看護ケアの広がりと質の向上がはかれます。
「救急看護」など、21分野が認定看護分野として特定されています。
認定看護分野一覧
- 感染管理
- 皮膚・排泄ケア
- 緩和ケア
- かん化学療法看護
- 集中ケア
- 救急看護
- がん性疼痛看護
- 糖尿病看護
- 認知症看護
- 摂食・嚥下障害看護
- 脳卒中リハビリテーション看護
- 訪問看護
- 手術看護
- 新生児集中ケア
- 乳がん看護
- 小児救急看護
- 慢性心不全看護
- 慢性呼吸器疾患看護
- 透析看護
- がん放射線療法看護
- 不妊症看護
◆専門看護師
専門看護師とは、看護師として5年以上の実践経験を持ち、看護系の大学院で修士課程を修了して必要な単位を取得した後に、専門看護師認定審査に合格することで取得できる資格です。5年ごとの更新が必要になります。
複雑で解決困難な看護問題を持つ個人、家族及び集団に対して水準の高い看護ケアを効率よく提供するための、特定の専門看護分野の知識・技術を深めた者として日本看護協会に認定を受けた看護師のことを言います。専門看護師の資格を取得することで、保健医療福祉の発展に貢献し併せて看護学の向上がはかれます。
「がん看護」など、13分野が専門看護分野として特定されています。
専門看護分野一覧
- がん看護
- 在宅看護
- 家族支援
- 慢性疾患看護
- 急性・重症患者看護
- 遺伝看護
- 感染症看護
- 母性看護
- 災害看護
- 精神看護
- 地域看護
- 老人看護
- 小児看護
認定看護師や専門看護師の資格を取得すると病院の他、訪問看護ステーションやクリニック・診療所、介護保険施設等で役立てることができます。
認定看護師と専門看護師の違い
認定看護師も専門看護師もともに高い看護技術と知識を持ち、高水準のケアを実践できる看護師です。
具体的にどのような違いがあるのかみていきましょう。
ひとつは、取得までの期間です。認定看護師は認定看護師教育機関で6ヶ月~1年の教育を受け認定審査(書類審査・筆記試験)に合格すれば取得できます。専門看護師は看護系大学院にて修士課程を修了しなければなりませんので、取得するのに最低でも2年はかかります。
ふたつめは、求められる役割の違いです。
認定看護師・専門看護師ともに担う共通の役割は以下の3つです。
- 実践
熟練した看護技術及び知識を用いて卓越した看護を実践する。 - 指導
看護実践を通して看護職に対し指導を行う。 - 相談
看護職等に対しコンサルテーションを行う。
専門看護師はさらに以下の役割も果たします。
- 調整
保健医療福祉に携わる人々のコーディネート。 - 倫理調整
個人、家族、集団の権利を守るため、倫理的な問題や葛藤の解決を図る。 - 教育
看護者に対しケアを向上させるための教育を行う。 - 研究
専門知識及び技術の向上・開発のための研究活動を行う。
専門看護師は、高度な看護技術を用いての実践や他職種間との調整など現場での活動のほか、教育や研究の役割も担います。
一方、認定看護師はより医療及び福祉の現場においての活躍に重きが置かれています。
出典:日本看護協会「資格認定制度 専門看護師・認定看護師・認定看護管理者」をもとに作成 https://nintei.nurse.or.jp/nursing/qualification/about_institution
まとめ
認定看護師も専門看護師も様々な分野があります。看護師としてのこれまでのご自身の実務経験から将来どのような看護をしたいのか、自分に向いている分野は何なのか、見極めたうえで取得することをおすすめします。